九州研修旅行

平成26年3月29日(土)30日(日)

 

布穀会員各地区から10名の参加で九州の佐賀市、小城市、唐津市を研修旅行しました。以下は会員の浅田典子さん(広島)の寄稿文よりの抜粋です。

 

佐賀に降り立ちタクシーで「願正寺」「與賀神社」「髙伝寺」と廻りました。願正寺の副島蒼海(種臣)の書は、気迫に満ちスケールが大きく、また格調の高い作品でした。

與賀神社では木額ばかりでなく真筆を見せていただけることとなり、社務所二階へと上がりました。そこに掲げてある副島蒼海の書を見るなり、皆感嘆の声!! 美しく和紙と筆、墨の織り成す品格のよい一作でした。一人で静かに鑑賞するのもいいですが、何人かと一緒に鑑賞すると、それぞれの息遣いを感じより一層感動するようでもあります。その後は髙伝寺、蒼海のお墓。訪れるところ満開の桜に迎えられて、雨の中、豪勢なお花見となりました。

唐津線で小城駅へ。そこには書聖とよばれる中林梧竹の記念館があり、小城が生んだ書家の人と芸術を知ることができました。

唐津のホテル魚半に向かう間の景色がまた素晴らしいものでした。唐津城を左手に、そこを過ぎると数千万本という松並木。緑色の鮮やかなこと。実に美しい景色でした。夜は会食の後、秋の布穀会展についての話し合いが持たれました。

翌日は唐津市内の旧高取邸(国・重要文化財)見学。部屋数がいくつあるかしら!?大きなお屋敷で和風を基調としながら洋間が作られていたりします。造作の細部に職人の技も見ることができました。贅沢の限りと思えるところばかりの建物でした。圧巻は家の中に能舞台があることです。

そぞろ歩きで旧唐津銀行へ。これも立派な建物(設計・監修 辰野金吾)でした。その中の展示してあった新聞が「佐賀新聞」。この題字が実は副島種臣蒼海の書であることが分かり、帰路の途中、当日の佐賀新聞を購入しました。旅の終わりに、また、蒼海の文字に出会うことができ、品の良い、格調の高い作品創りを目指せ、と言われているようでした。

何と言っても與賀神社の「神降百福」この真筆を見せていただけたことが一番だと思います。研修会から数日過ぎますが、あの時のあの瞬間の驚き、感動こころの中から湧き出る感情を忘れることはできません。

皆さんのご尽力で研修会の旅が素晴らしいものになりましたことに心より感謝いたします。地方にいますと会員の方々にお目にかかれる機会も少ないので、このような企画は嬉しい限りです。一緒に作品を見ることで教えていただけることが多々あります。次の研修会を楽しみにしています。

 

副島蒼海「荘厳望堂坐我輩」(願正寺)

副島蒼海「神降百福」に見入る会員(與賀神社)

「中林梧竹 没後百年記念展」誌より